2015年の救急車の出動件数は605万件と過去最多を更新。119番通報から病院収容までの平均所要時間も過去最長だった。搬送者548万人のうち、入院を必要としない軽症が約半数を占めた。
消防庁は、救急車に代わる搬送手段として、民間の有料搬送サービスの利用を促す。ストレッチャーや車いすでも乗れる専用車や応急手当ての機材を備えており、マラソン大会や野外ライブなどで主催側に活用してもらう考えだ。
高齢者施設の入所者の既往歴やかかりつけ医を消防本部が事前に把握しておけば、搬送時間の短縮につながるとして、施設側との情報交換の強化が必要だとした。
このほか、家庭内での事故に伴う救急搬送を減らすため、玩具の誤飲や浴室での転倒といった事故防止の注意点をホームページなどに掲載する取り組みを広げる。