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〈とりびあ〉救急患者をAIがトリアージ、搬送先決定も支援

2017年02月21日更新

救急医療という「時間との戦い」に、スマホアプリとAIで挑む。東京慈恵会医科大学先端医療情報技術研究講座准教授で脳神経外科医の高尾洋之氏は2016年11月から、そんなプロジェクトを主導している。

救急現場は「患者の身に起きたことやその場の状況を、正しく把握して伝えることが難しい」(高尾氏)。そこでスマホアプリとAIを使い、救急搬送中の患者の容体を素早く的確に共有し、治療始までの時間を短縮することで、救命率の向上や後遺症の軽減を目指す。2017年度に臨床研究を始め、2018年度には実際の救急現場への導入を見込む。

この仕組みでは、AIが問診やバイタルサイン測定から得られた情報を解析し、トリアージを実施。その結果を基に、医療機関の受け入れ体制なども考慮した上で、搬送先を素早く選定できるようにする計画だ。

高尾氏は2015年に慈恵医大グループへの3000台を超えるiPhone導入を指揮した経験を持ち、医療の情報化に詳しい。今回は、ベンチャー企業のアルム(東京都渋谷区)と共同で開発したスマホアプリ「Join」を、AIと組み合わせた形で活用する。

Joinは複数の医療関係者間でコミュニケーションを取るためのアプリ。スマホでリアルタイムに会話ができるチャット機能を持ち、X線CTやMRIなどの医用画像、心電図や手術室内の映像も共有できる。

搬送先をAIが選定

脳血管疾患では、発症時に迅速に治療を行えたかどうかが患者の予後を左右する。例えば脳梗塞では、発症から4.5時間以内にtPAを投与したり、8時間以内に血栓除去デバイスによる血管内治療を実施すれば、後遺症を軽減できる可能性が高い。こうした迅速な判断が求められる場面で、チーム医療を支援するのがJoinだ。

高尾氏らはこのJoinと、救急搬送時の患者への問診を担うアプリ、そしてAIを組み合わせた「Cloud ER」という仕組みを開発中だ。脳・心血管疾患が疑われる患者などを対象とした救急医療支援システムで、正しいトリアージをすることで救命率を高めたり後遺症を軽減することを狙う。

Cloud ERではAIを使って、大きく2種類のデータを解析する。第1は、患者に装着するリストバンド型端末で測る血圧や脈拍、心電図などのバイタルサイン。2つ目はスマホアプリで集める問診情報だ。リストバンド型端末では、カフレスで血圧などを測れるようにするとともに、救急搬送時に使うことを念頭に、体動時にも精度を維持できるような工夫を施す。

AIを使ってこれらの情報を解析。最適な搬送先を素早く選定するとともに、受け入れ施設の医療関係者がJoinを介して患者情報を共有する。これにより、到着後すぐに最適な治療が始められる体制を整えたり、搬送中に施すべき処置を救急隊員に指示できる仕組みを実現する。