〈とりびあ〉感染症に対する標準予防策(スタンダードプリコーション)
2016年07月08日更新
1 飛沫感染予防策(ドロップレットプリコーション)
飛沫感染とは、咳やくしゃみ、会話などに伴って病原微生物を含む飛沫(5㎛以上)が散り、他人の粘膜(鼻及び口)や粘膜に接触することで発生する。
飛沫感染する代表的な感染症
風疹・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)・百日咳・マイコプラズマ肺炎
・飛沫が散るのは1~2mくらいの短い距離で、空気中を漂うことはない。
・患者さんから1~2mの距離に近づくときは、必ずマスクの着用(ただし、N95マスクは必要ない)。
2 空気感染予防策(エアボーンプリコーション)
空気感染とは、病原微生物を含む微粒子(5㎛以下)が空気中を漂って拡散され、これを吸い込むことで発生する。
空気感染する代表的な感染症
結核・麻しん・水痘
・病原微生物を含む微粒子(飛沫核)が空気に乗ってふわふわと漂うため暴露のリスクは長時間・広範囲にわたる。
・粒子の大きさが5㎛以下と微小なため、通常のサージカルマスクでは遮断が難しい。よって、N95マスクが必須。
3 接触予防策(コンタクトプリコーション)
接触感染とは、読んで字のごとく。
接触感染する代表的な感染症
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)・VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)・O-157感染症・ノロウイルスによる感染症胃腸炎・流行性角膜炎
・接触予防策の大原則は、患者さんの皮膚や周囲にあった器具や機器に触れるとき、必ず手袋を着用すること。
・患者さんの身体に触れるケアをするときは、ガウン(エプロン)も必要。
・血圧計、聴診器、体温計などは、その患者さん専用のものを用意する。
・ベッド柵、オーバーテーブル、ドアノブなど特に接触が多いものは、1日1回以上清拭消毒する。